あれから5年が経ったけれど...

 

 もうすぐ3月11日がやってきます。あの震災からもう5年も経つんですね。地震と津波で全電源を失い、未曾有の事故を起こした福島第一原発(フクイチ)。その避難者は未だに住んでいた家に帰ることができません。家も仕事も地域社会も失い、そして家族や親戚や友人たちとも離ればなれになってしまった多くの人たち。その方たちは今どんな気持ちで過ごしていらっしゃるのでしょうか。津波で家や家族を失った人たちの悲しみとはまた違った、どこに持って行ったらいいのかわからない怒りがあるのではないかと想像します。

 5年の時を経た今、その放射能汚染はどのように広がり、どんな影響が出ているのでしょうか。インターネットなどではいろんな情報が飛び交っていて、いったい何を信じていいのか分かりません。福島県では子どもの甲状腺がんが増えていて、他の地域の数十倍にも上るという研究結果が報告されていましたが、事故による被曝との因果関係は認められないといって、あまり問題にされていません。綿密な検査をすれば、がんが見つかる確率も増すのだと言われれば、それもそうかもと思ってしまいます。とにかく真実を知る手段があまりに少なくて、福島を始めとする食品のどこまで食べていいのかも、本当に不安だらけです。

 そんな不安がいつまでも続いている今の日本ですが、昨年から、川内原発を皮切りに高浜、伊方の原発が再稼働へと動き始めています。フクイチ事故の教訓は本当に生かされているんでしょうか。そしてまた、どうしてそんなに原発にこだわるんでしょうか。原発が動いてなくても誰も困ることなく生活できているじゃないですか。それに、電力不足がそんなに深刻だと言うのなら、もっと節電できることはいくらでもあると思いますが。図書館やショッピングセンター、銀行などの公共の場の冬は暖房し過ぎで暑いし、夏は冷やし過ぎじゃないですかって感じるのは僕だけでしょうか?

 先日、丸川環境大臣が講演で、原発周辺の除染基準について「何の科学的根拠もなく時の環境大臣が決めた」などと、それこそ何の根拠もなく口走ったことが問題になっていましたが、ほんと無責任。環境大臣ですらこのレベルでは国民の不信感は増すばかりです。

 ついでに言うと、こちらは国会での答弁ですが、高市総務大臣の「電波停止」発言。放送法は、国家権力によって言論の自由が犯されないようにするための法律なのに、電波配信を停止する権限が政府にあるかのような発言ですね。マスコミへの圧力以外の何ものでもないでしょ、これは。報道の中立性というけれど、それに対して政府のチェックが入るようになったら、マスコミ各社は言いたいことが言えなくなってしまいます。そうなったら本当に怖いですよね。共産党批判ができない中国と同じになってしまいます。

 中立ということでは、一般の方の中にも「僕は中立ですから」みたいなことをおっしゃる方があります。昨年9月に安保法が国会で審議されているときにもありました。「僕は中立だから賛成でも反対でもない」とおっしゃる。それって「僕は高みの見物をさせてもらってます」みたいなことなわけですよ。「どっちに転がっても長いものに巻かれて着いていきます」ということなのでしょうか。結構いますよね、こういう人たち。自分の意見もちゃんと言えないような国民が増えていったら、民主主義は徐々に崩れていきます。そんな危機感を憶えずにはいられない今日この頃です。

 

おおきな木 杉山三四郎

おたより、ご質問など