「たいせつなこと」 新しいCDまもなく発売

 

 『たいせつなこと』(マーガレット・ワイズ・ブラウン作、レナード・ワイスガード絵、うちだややこ訳/フレーベル館)という絵本があります。この「つうしん」でも何度かご紹介したこともある絵本ですが、アメリカで発刊されたのが1949年、大変古い絵本です。日本語版が出たのは今から15年前になります。雨にとって大切なのは「瑞々しく潤す」ということ。草にとって大切なのは「輝く緑である」ということ。空にとって大切なのは「いつもそこにある」ということ…と、森羅万象から身の回りのものまでが、あるがままの姿であるということが大切であり、最後に、あなたにとって大切なのは「あなたが あなたで あること」と結んでいます。

 何年か前の話になりますが、高校生たちに人権についての話をしてほしいとの依頼があり、そのとき、この絵本を読んでみました。細かい校則で縛られたり、テストの点数で競わされたりして、ともすれば自分を見失いがちになっている高校生たちに、「あなたがあなたでいられる権利」、それが人権なのではないかと考えたからです。そして、この絵本を読んだ後、同名の自作の歌を歌いました。この絵本を歌ったものではありませんが、同じ気持ちを歌にしたものです。

 じつは、もうすぐ発売となる新しいオリジナルCD「杉山三四郎絵本をうたう④」にこの歌を収録していますが、アルバムのタイトルも「たいせつなこと」と名付けました。自分はどうあるべきか、人からどんな風に見られているんだろうかと不安な気持ちで生きている十代の若者たちに向けて、まず、誰にも遠慮なく、自分はこんなことが好きなんだと言えることが大切だと。そして、誰もがひとりで生きているわけじゃない。誰かに助けてもらったり、誰かを助けたりして生きているわけで、そのことに「ありがとう」って言える感謝の気持ちが大切なんだと。そんなあたりまえのことを伝えようとして作った歌です。でも考えたら、人からどんな風に見られているのか不安なのは十代だけじゃありませんね。僕も、新しい歌を作るたび、みなさんからどんな反応が返ってくるのかいつも不安です。還暦を過ぎても自信を持てないワタクシです。

 さて、新しいCDですが、全12曲中10曲が絵本を歌ったものです。昔から歌っていた『きゅうりさんあぶないよ』とか『ごろごろにゃーん』とか『だって』とかがあったり、最近の人気絵本『いちにちのりもの』『いちにちおばけ』や、言葉の面白さを楽しめる『オー・スッパ』『ぶたラッパ』『まんまるおつきさん』『もりもりくまさん』『さんかくサンタ』を収録しています(クレジットと内容は三面をご覧ください)。曲調は絵本の雰囲気に合わせてバラエティに富んでいますが、どれも楽しく明るい歌で、ノリノリで聴いていただけると思ってます。アレンジと録音を担当してくれている伊藤精一さんを始め、バックコーラスや演奏は新春恒例さんしろう絵本ライブなどでも共演してくれているミュージシャンたちが中心で、みんな全力投球で喜んで録音に参加してくれました。

 今までに出している3枚のCDも、最近とくに保育現場や小学校や特別支援学校などで利用していただいているようで、ありがたいことにご好評をいただいてます。今回の新CDも、ご家庭で楽しんでいただくのはもちろんのこと、教育現場や保育現場でも活用していただければと思っています。

おおきな木 杉山三四郎

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