ジャーニー 女の子とまほうのマーカー

ジャーニー 女の子とまほうのマーカー

ジャーニー 女の子とまほうのマーカー
クエスト にじいろの地図のなぞ

 

アーロン・ベッカー 作

 

どちらも、文字のない、絵だけでお話が進んでいく絵本。女の子と一緒に赤い扉を開ければ、冒険の世界のはじまり。そして、新しい出会いとさらなる冒険への入口。やがて物語は、次の展開へ。すべての冒険が終わった時、もう一度最初からその世界を眺めたくなります。

年長さんくらいから楽しむことができると思います。そして、小学生〜大人の方も、絵本の向こうに広がる壮大な世界と大冒険を感じることができるのではないでしょうか。

まずは『ジャーニー』から。冒険の扉を開いてみてください。 

(スタッフ みか)     


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わたしのゆたんぽ

わたしのゆたんぽ

わたしのゆたんぽ

 

きたむらさとし 作

 

寒暖をくり返しながら、徐々に冬が近付いてきました。夜、冷たいお布団が体温でじんわり暖かくなるまでちょっと我慢だったり、朝起きるのに勇気がいったり。裸足の足が床に触れて「ひょっ」となったり。一方、思いついた明日の持ちものとか、お手洗いとか、電気のスイッチとかで一旦出たあと、暖まったお布団に戻ったときの幸せったらありません。

ゆたんぽはその幸せをお布団に入ったすぐ、その時から味わわせてくれます。

何度も寝返りを打つと、ゆたんぽは足もとで行方不明になってしまいます。私はお布団に頭を突っ込むことなく、足に捜索願いを出して、両足でゆたんぽを探します。探す、触れる、逃げる、追う。つかまえたら、両足が送って、両手が迎えに行き、「もうどこにもやらないよ」って胸元に抱え込みます。

そんな、お布団の中の小さな大騒動を、思いのほか壮大なスケールで描いた絵本。

電気ごたつでもなく、電気毛布でもない、ゆたんぽが恋しくなります。

ただ暖かいだけで、ちょっと肩の力が抜けます。高揚した気持ちがすこしだけ穏やかになります。悲しいや淋しいがほんのちょっぴりだけ少なくなります。不思議です。

今年も、中のお湯を鳴らすゆたんぽの相づちが聞きたくなってきました。

 

 (スタッフ みか)    


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夏帽子

夏帽子

夏帽子

 

長野まゆみ 作

 

タイトルの夏帽子は、理科の臨時教師である紺野先生のトレードマーク。授業でしてくれる興味深い話や、見せてくれる標本、休みの日には生徒たちを引率して海や山へ。夏休みが明ける前には学校の草とり。冬には雪かき。廊下の窓磨き。何気ない、普通のことがどうしてか楽しみに変わってしまう。

こんな先生出会ってみたかったな、そういえば出会ったな、と思い出すのは、中学生のころ。とてもおもしろい授業をしてくださった社会の先生。教科書には載っていない小ネタがちょくちょく挟まれたりして、社会の授業なのに笑いが絶えなかった覚えがあります。ノートにも小ネタの方を熱心にメモったり。体調が悪くても、なんとかこの先生の社会の授業だけは受けようとがんばったものです。

もとは雑誌MOEに連載されていたもので、夏帽子をかぶった紺野先生が赴任する先々で出会う生徒とのふれあいや授業風景を描いた短いお話が詰まっています。

長野まゆみさんの本は独特の世界観のあるものも多く、好みが分かれそうなところ。個人的には大好きですが、個性的故にここでの紹介については二の足を踏んでいました。『夏帽子』は穏やかで、特に同じような経験がなくとも、なぜか懐かしい気持ちが漂い、思い浮かぶ情景が美しい短編集。「齋藤孝のイッキによめる!名作選 小学3年生」に1編が掲載されていたため、紹介してみることにしました。

「齋藤孝のイッキによめる!名作選」シリーズは、いろいろな作家さんの作品にすこしずつ触れることができる本。学年別になっていて本選びの参考にもなりますが、学年にこだわらず、たくさんの作品に触れてみて、そこから読書の幅を広げていくのも楽しいと思います。

 

 (スタッフ みか)   


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パンプキン! 模擬原爆の夏

パンプキン! 模擬原爆の夏

パンプキン! 模擬原爆の夏

 

令丈ヒロ子 作

 

知らないこと、知りたくないこと、知りたいこと、知らなければならないこと…。知ることを選んで行動するのは自分。目を瞑るのも自分。

私たち読者はヒロカとともに、偉そうな従姉妹のたくみにイライラしながら、模擬爆弾というものの存在を知り、そして過去の日本について考えずにはいられなくなってしまいます。

たくみは言います。「知らないことは、こわいことだよ。誰かの言ってることが事実と違っていても、そうなのかなあって信じてしまう。ぼくはそれがいやなんだ。」。模擬爆弾や戦争に関してはもちろんのこと、事実を知ることの大切さにも向き合うこととなります。

長すぎず、短すぎず、一人でドタバタするヒロカとどこか大人びたたくみの関係も愉快。読書感想文にも。

 (スタッフ みか)    

 

原爆が広島と長崎に落とされたのは、皆知っていても、その模擬爆弾が日本各地に落とされたことは、あまり知る人はいません。

4.5トンの重さをもつおおきなかぼちゃ色をした爆弾は、その形状からパンプキン爆弾とよばれました。

テーマはこの模擬爆弾ですが、戦争というものを大きな目でとらえていて、子どもの目から戦争というものがどういうものであったかを考えるには、とてもよいのではないかと思います。

なにより、読みやすい!そして、暗いテーマにもかかわらず、明るくて、ユーモラスで、「若おかみは小学生!」の作者でもある令丈さん、さすがだな~とおもいました

(スタッフ なおこ)   


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よるのかえりみち

よるのかえりみち

よるのかえりみち

 

みやこしあきこ 作

 

作者みやこしあきこさん独特の、暗い基調に色が映える表紙が、カラフルな絵本たちの間で逆に目を引きます。お母さんとあそびつかれて抱っこの子。表紙からコツコツと夜の街に響く足音が聞こえてきます。そんな時刻。窓から漏れる光の数だけある過ごし方。親子が家に着くころには、それぞれの窓の中でも同じように時間が流れています。あの窓のなかでさようならをしていた人は、1人で夜道を歩きながら何を思っているのでしょうか。

夜、外を歩きながらふとあたりを見渡せば、いくつもの明かりが灯る窓。その窓ごとに、違った物語があるのかと思うと、当たり前ではあるのだけれど何か不思議な気持ちを覚えます。

 (スタッフ みか)        


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みーんなパンダ

みーんなパンダ

みーんなパンダ

 

石井聖岳 作

 

タイトル通り、みーんなパンダになっちゃう絵本。でも、みんな、「なりたくて」なる…というか、してもらうのです。

一方、本物のパンダは最後までやる気がありません。始終めんどくさそう。でも、みんながパンダになるためのおまじないは、単純、明快「はいっ、パンダ!」。

パンダになったみんなの、「パンダ具合」が微妙でそれがまた面白いのです。

なんだか力が抜けてしまう、ヘンテコな絵本。

おまじないだけははっきり、「はいっパンダ!」

 

(スタッフ みか)         


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だっこだっこだーいすき

だっこだっこだーいすき

だっこだっこだーいすき

 

かみじょうゆみこ ぶん
100%ORANGE え

 

今回はあかちゃん絵本から一冊をご紹介します。こちらは、最初、月刊誌こどものとも0、1、2で出された絵本。

絵も色もことばも好きで、雑誌ですが、出産のお祝いや1歳のお誕生日などに数冊の絵本と一緒によく贈っていました。お祝いに雑誌?という考えもあるでしょうが、私の中で「これがいい」と決まってしまっていたので、他のものと変更が利きません。絵本は、「似たもので代用」ということがしにくいものです。自分が好きで決めているならなおさら。それは、お店に来ていただくお客様もおそらく同じでしょう。ですから、ご希望の本が在庫切れしている場合は、お客様の残念な気持ちと同じくらい、本当に申し訳ない気持ちになります。

もちろん、ことばあそびやしかけなど「似ている」場合は多々ありますが、絵は違うしストーリーもことばもリズムも違います。毎月数多に出版される絵本の中で、「これ!」と感じるものに出会うことは多くはありません。テレビで紹介されたり、賞に選ばれたりしていなくても、私の中で上位なら、ずっとあって欲しいしみんなに見て欲しい。ところが、需要がなければ消えていくのは悲しい現実ですし、様々な理由で市場に出なくなる場合もあります。

この「だっこだっこだーいすき」は雑誌という性質上、出版社でも2年間しか保管されませんし、切れてしまえばそれまで。2008年4月号だったこの本がお店に入ってこなくなった時、とても残念でした。

そして、2015年2月。絵本として新たに出版され、心の中で密かに、小躍りして喜びました。

あかちゃんはだっこが大好き。あったかくって、規則正しい呼吸と鼓動と大好きな匂いに癒されて。それはもしかしたら、だっこする側も同じなのかも。幸せなだっこタイムがたくさん持てますように、という気持ちを込めて、この絵本を贈りたいと思います。

 

(スタッフ みか)       


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ゆきがくれたおくりもの

ゆきがくれたおくりもの

ゆきがくれたおくりもの

 

リチャード・カーティス 文
レベッカ・コップ 絵
ふしみみさを 訳

 

この人とは絶対にウマが合わない、と思っていた人と今日一日二人きり。さあ、どうしましょう。

 

ある大雪の日、学校が休みになったとは知らずに登校してしまったダニーとトラッパー先生。たった二人の授業が始まります。勉強がつまらないダニーと、授業をしてもろくに聞いてもらえないトラッパー先生。二人は平行線のまま時間が過ぎていきます。そしてようやく休み時間。

 

帰り道、その日が特別な日だと思えたのは、きっと過ごした時間のせいだけではないでしょう。大雪の一日で、二人の関係がすっかり変わってしまったのですから。

 

ところが、先生へ新しい気持ちを抱いて学校に行ったダニーに対して、あの大切な時間はどこかにいってしまったかのように、もとどおりのトラッパー先生。ダニーの悲しみといったらありません。そんなダニーを思うと私も心も痛みます。先生、なんで?って思います。

 

そして、いのこり勉強でノートに落書きをしていたダニーを見てトラッパー先生は…。

 

なんど見ても、ほっこりうれしさがわいてくる絵本です。

 

(スタッフ みか)      


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秘密の花園

秘密の花園

秘密の花園

 

F.H.バーネット 作
猪熊葉子 訳
堀内誠一 画

 

長く読み継がれている、よく知られたお話。私が最初に出会ったのは上下巻にわかれた文庫でした。それから他の出版社や翻訳者、装丁の気に入ったもの…と何冊かの『秘密の花園』を手元に置いています。

名作と呼ばれるものや伝記物などでも、最近は、表紙の主人公の絵がとてもかわいらしくかっこよく描かれている本をよく目にします。個人的には表紙と内容のイメージが結びつかなかったりすることも。
一方、今回ここに掲載した「秘密の花園」は福音館文庫のもの。挿絵は「ぐるんぱ」や「たろう」の堀内誠一さん。長い物語の途中で時折入るモノクロの絵は、私のイメージから離れることなく、かといって私の気持ちを引っぱるでもなく、ほどよく物語へ導いてくれます。
しかし、手に取りやすいという意味では、入り口としてかわいらしい表紙というのもあり得るのでしょう。

とはいえ、表紙がどのようであったとしても、最初は主人公メリーの置かれている悲惨な状況にお話として楽しい部分がひとつもありません。しかし、周りの環境にひきずられ、大人の都合に振り回され、ただその渦中に「いる」だけだったメリーが自ら動き始めると、新しい環境、新たに出会う人々との関わりなど、メリーにとっても読者の私にとっても楽しみなことが増えていきます。やせっぽちで気むずかしく愛されることを知らなかったメリーが暮らすことになるのは、これまたひねくれもので気むずかしい叔父が住むヨークシャーのお屋敷。固く閉ざされたメリーの心の扉をヨークシャーの自然や生活、関わる人々が少しずつ溶かし、ほぐし、開いて行きます。

そしてなんとも魅力的で私たち(メリーたちや読者である私)を虜にするのが、閉ざされた庭の存在。メリーとともに庭への入り口を開きたくて、メリーを取り巻く人々に出会いたくて、メリーが見るもの聞くもの食べるものを一緒に感じたくて、何度となくこの本を手にとってしまうのです。

(スタッフ みか)     


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おやすみのあお

おやすみのあお

おやすみのあお

 

植田 真 作

 

「寝るときに読む絵本でおすすめはありますか?」

そんなご相談が時々あります。

「おやすみ」をテーマにした絵本はたくさんあります。静かな絵本で、気持ちが落ち着いて、ねむーくなる…。でも、おやすみをテーマにしていなくても、たとえば一緒に絵本の中の鳥やリンゴの数を数えながらだんだん眠くなるという子もいれば、いつも同じ絵本で寝る子など様々。もしくはどんなに静かな絵本を読んでも目がキラキラしてきてしまう、なんていう場合も。私も子どものころから今に至るまで、寝入るまで時間のかかるタイプです。お話の途中で眠ってしまって、それでも最後まで読んで「寝ちゃった」と独り言を言う…という母のささやかな夢はかなわなかったわけで。何冊も何冊も読んでもらおうとする私に「今日はここまで」と言う日々。今となっては、寝られなきゃ寝ないというスタンス(?)をとっていますが、「おやすみのあお」のような絵本を見ながらいつのまにか寝られたら素敵だな、と思います。実際は、本が終わったら「よいしょ」と起き出して、電気を消して、メガネをはずして、また寝返りをゴロゴロ。

今晩は、暗闇で目を閉じて、私の「おやすみのあお」をひとつひとつ思い浮かべてみようかな。そうしたら、いつのまにかカーテンを通して金色の朝日が差し込み、まだ知らないなにかに出会う新しい一日を晴れ晴れとした気持ちで迎えることができるような気がします。

(スタッフ みか)    


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