わたしのゆたんぽ

わたしのゆたんぽ

わたしのゆたんぽ

 

きたむらさとし 作

 

寒暖をくり返しながら、徐々に冬が近付いてきました。夜、冷たいお布団が体温でじんわり暖かくなるまでちょっと我慢だったり、朝起きるのに勇気がいったり。裸足の足が床に触れて「ひょっ」となったり。一方、思いついた明日の持ちものとか、お手洗いとか、電気のスイッチとかで一旦出たあと、暖まったお布団に戻ったときの幸せったらありません。

ゆたんぽはその幸せをお布団に入ったすぐ、その時から味わわせてくれます。

何度も寝返りを打つと、ゆたんぽは足もとで行方不明になってしまいます。私はお布団に頭を突っ込むことなく、足に捜索願いを出して、両足でゆたんぽを探します。探す、触れる、逃げる、追う。つかまえたら、両足が送って、両手が迎えに行き、「もうどこにもやらないよ」って胸元に抱え込みます。

そんな、お布団の中の小さな大騒動を、思いのほか壮大なスケールで描いた絵本。

電気ごたつでもなく、電気毛布でもない、ゆたんぽが恋しくなります。

ただ暖かいだけで、ちょっと肩の力が抜けます。高揚した気持ちがすこしだけ穏やかになります。悲しいや淋しいがほんのちょっぴりだけ少なくなります。不思議です。

今年も、中のお湯を鳴らすゆたんぽの相づちが聞きたくなってきました。

 

 (スタッフ みか)